[間違えやすい問題] もしもし検定 2022年4月1級

4月のもしもし検定受験、おつかれさまでした。

もしもし検定を主催している公益財団法人日本電信電話ユーザ協会より、
4月1級の正答率が低かった問題2問が公開されています。
1級を受験された方は、ぜひ答え合わせをおこなってみてください!

 

【問題1】
メディエーションでは、紛争の当事者が陥りやすい「認知バイアス」に注意します。
この考え方は、電話応対において「クレームを訴える顧客」への対応にも当てはまります。
次の認知バイアスの説明で誤っているものはどれですか。1つ選びなさい。

 

1.行動のエスカレーション:
ひとたびある行動を選択すると、その後の状況の変化を省みず、当初の方針のまま深入りしてしまいがちな傾向をいう。
行動を取り巻く諸条件が、時の経過と共に変化し、それまでにとって来た行動方針を変えなければならないことを示していても、既に投入した費用や労力や時間に縛られたり、はじめの決定を正当化するのが目的になったような形での資源配分を継続したりすること。当初の行動を決断したときの自己否定を回避すること。

 

2.パイの大きさは交渉によって可変的であるという思い:
双方で分配されるパイを奪い合う交渉の場合(労使交渉などの場合)に、そのパイの大きさは最初から決まっているとは考えずに交渉して、優先順位のある複数の交渉項目がある場合は、パイの大きさは可変的だとする考え。

 

3.係留効果(アンカリング)と調整:
船が錨(いかり)を降ろすことで、波や流れでわずかに移動しても、その場にとどまるように、交渉でも、交渉に入る際の最初の構えや自他が最初に提示した条件を基準にし、そこに固着してしまう心理作用をいう。交渉による最終合意の内容は、交渉中の譲歩行為よりも、最初の提示条件に影響される。交渉の前に高い達成目標を定めておくことは、相手方の最初のオファーの係留効果を押さえるのに役立つ。

 

4.交渉の枠付 枠付作用(フレーミング):
全く同じ条件でも、プラスの枠付をするか、マイナスの枠付をするかにより、選択者の心理が影響を受け、その選択結果は異なる。その枠付の仕方により、よりリスクの高い方を選択してしまうという非合理的判断がなされる。リスクの回避型、中立型、追求型という選択態度の分類。

 

【正解】2
認知バイアスとは、物事を認識、判断、思考する際に、これまでの経験や固定観念にしたがい合理的でない結論にたどり着くことをいい、電話対応においても生じやすいと考えられます。
1、3及び4は、この認知バイアスにあたり、これを疑う場合は、複数の意見を比べたりすることが必要となります。
設問のうち、2の、「パイの大きさは決まっている、という思いこみ」は、認知バイアスではないと考えられています。実際には、パイを奪い合う交渉(総額は固定している労使交渉)があり、その場合は、労働者に有利な結果は使用者に不利な結果となり(その逆も同じ)、これはバイアス(合理的でない)として片づけることができないからです。

 

【問題2】

個人情報保護法のいわゆるオプトアウトに関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

 

1.オプトアウトとは本人が識別される個人データの第三者への提供について、本人の求めに応じて停止できることを事前に告知等すれば、本人の事前同意なしに第三者提供できることをさす。

2.オプトアウトは法第23条(第三者提供の制限)の例外規定によるものである。

3.オプトアウトによる第三者提供について、個人事業保護委員会への届け出をしなければならない事業者には、いわゆる名簿業者も含まれる。

4.個人データの第三者提供の停止や本人の求めを受け付ける方法は、あらかじめ、本人に通知しなければならない。

 

【正解】4

個人情報取扱事業者が個人データの第三者提供をするためには、あらかじめ本人の同意を得るのが原則ですが、あらかじめ本人に対して個人データを第三者提供することについて通知または認識し得る状態にしておき、本人がこれに反対をしない限り、同意したものとみなし、第三者提供をすることを認めることを、「オプトアウト」といいます。

個人情報保護法においては、個人情報取扱事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、本人の求め受け付ける方法を、あらかじめ、「本人に通知」するか、または継続的にホームページにおいておくなど「本人が容易に知り得る状態に置いている」ときは、当該個人データを第三者に提供することができることとされています。よって、誤りは4です。